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2021/05/30内科・小児科

インフルエンザについて

インフルエンザとは

インフルエンザは、インフルエンザウイルスによって起こる病気です。
38℃以上の発熱、頭痛、関節痛、筋肉痛、全身倦怠感等の症状が比較的急速に現れるのが特徴です。併せて普通の風邪と同じように、のどの痛み、鼻汁、咳等の症状も見られます。
小児(特に2歳未満)や高齢者、免疫力の低下している方では、稀に脳症や肺炎に悪化する等、重症になることがあります。

症状について

インフルエンザに感染すると、1~5日の潜伏期間の後、38℃以上の高熱や関節痛・筋肉痛などの全身症状が現れます。
健康な人であれば、4日~2週間程度で症状が落ち着き、治癒に向かいます。

▼発症後1~3日では下記のような「全身症状」が強く現れます。
▪急激な38度以上の高熱、発熱に伴う悪寒や寒気
▪強い筋肉痛や関節痛
▪全身倦怠感
▪頭痛
▪風邪症状のようなくしゃみ・鼻水・咳などの呼吸器症状
▪ 吐き気などの消化器症状

高齢者・小児(特に2歳未満)では脱水や肺炎などから全身状態の増悪の危険性がありますので注意が必要です。

検査について

検査は、鼻の奥の粘膜を取る「迅速抗原検出キット」を用います。
約5分で判定が可能です。
検査は発症後12時間程度経過しウイルス量が増えた後に行うのが最適だといわれていますので、当院でも検査が必要な場合には、原則的にはその時間をおいて行います。 特に初期の段階で体内のウイルス量が少ない場合には、検査で見つけられないことや正しく判断する事が難しい場合もあります。
尚、検査の精度としては時間経過後も60%~70%程度と言われており、インフルエンザであっても必ずしも検出されるとは限りません。 そのような理由から、当院では明らかなインフルエンザ症状である、あるいは明らかにインフルエンザではない場合には、検査は行わず診断をさせて頂くこともございます。

治療方法

インフルエンザに対する治療薬としては、下記の抗インフルエンザウイルス薬と漢方薬があります。

・タミフル(内服剤)
・リレンザ(吸入剤)
・ラピアクタ(点滴製剤)
・イナビル(吸入剤)
・ゾフルーザ(内服剤)
・漢方薬:麻黄湯 

抗インフルエンザウイルス薬の服用を適切な時期(発症から48時間以内)に開始すると、発熱期間は半日程度短縮されます。ただし、重症化を防ぐ効果は証明されておらず、副作用もありますので慎重な使用が必要になり、患者さんの症状に併せ医師が判断します。なお、症状が出てから2日(48時間)以降に服用を開始した場合は十分な効果は期待されず、原則的には処方はされません。

最近新薬として発売されたゾフルーザについては、薬剤耐性等の観点から、各学会から「積極的な投与は推奨しない」という提言が出されており、当院でもそれに倣い基本的には処方はしない方針とさせて頂いています。

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